技術情報
温度センサー
3. 放射温度計の特徴
放射温度計は次のような特徴を持っていますので、用途によって適切なものを選定し使用方法にも注意することが重要です。
特長
- 感温部もあまり高温にならないので、耐熱性の問題が少なく消耗品が少ないので経済的。
- 被測温物体と温度計を直接接触させないので、被測温物体の温度を乱すことが少ない。
- 非接触温度計であるから、移動している物体や回転体の表面温度を測るのに都合がよい。
- 結局は熱起電力の測定に帰着されるので、光高温計のように個人差が少ない。
- 熱電温度計で測れないような高温が測定できる
- 記録計、自動制御に使用される。
- 応答時間が速い。
欠点
- 黒体についてだけ正しい温度が測定できる。黒体でない場合には放射率を知って補正しなければならないが、その補正は光高温時計についてよりも困難で、多くの場合正しい補正は不可能である。
- 被測温物体と感温筒との間に水蒸気などが大量に存在すると、赤外線がそれに吸収されて光学部(レンズ)に到達するせきがいせんが減少し、温度を低く読むことになる。
- 物体の表面温度しか測定できない。
- レンズ、反射鏡のくもりや、汚れによっても温度を低く読むことになる。